TOHO-音芸-7(翁長さん)

映像作家 翁長裕さん

プロフィール、作品、どんなアーティストをやってきたか?などの質問は、
http://www.if-inc.com/about01.html こちらから、確認してください。

<まとめ>
大学時代、生き方の方向性がみつからなかったが、ジャズ喫茶の階段にはってあった、一枚のポスターが翁長さんの人生を変えるきっかけとなった。そのポスターは、JAGATARAというアンダーグランドのパンクバンドのボーカルの江戸アケミが、額から流血しながら絶叫している写真をつかったポスターだった。
<イメージ http://ameblo.jp/hide-smile/entry-10755930955.html

言葉にならない衝撃をうけた翁長青年は、そのライブにいき、写真をとると「決めた」。深夜25時~、ストリップ劇場でのライブのチケットを購入し、カメラ片手にのりこんだ。そこで、撮影した写真を現像してみると、何かが違うとかんじた。写真に写っているのは、グロテスクな映像としか見えない。あのライブ会場で感じたグロだけではない、感覚が映し出されていないと感じた。
そこで、カメラマンとしての腕をみがきはじめた。この「行動」がプロカメラマンへと翁長青年を成長させていった。
彼の写真に目をつけた編集マンが、翁長さんをRCサクセションのオフィシャルカメラマンへと導いてくれた。これらは「行動」し「表現」しつづけていた結果だ。「行動」(夜中にライブへいき、撮影を実行した)せず、雑誌社へその写真を自分で「売り込み」(=これも、行動)に行っていなければ、プロカメラマンの道にはたどりついていない。

また、さまざまなプロモーションビデオ、ライブ映像、ドキュメンタリー映像、については、表現したいこと。イメージを自分の中でしっかりとらえ、それを映像として、どんな形で「表現」したいか? 自分の中で「言語化」し、「具体的」に目標をきめて、撮影方法を決定し、編集方針を決め、自分の中にある「感覚」とむきあいながら、腑に落ちるまで、編集を行うというのが、翁長さんのスタイルです。

逆再生での撮影、色の反転を利用した効果、世界ではじめて、、、など、すべては、「思うこと」から始まります。そして、その「思ったこと」に向かい「行動」することで、すべての映像は生まれました。

ここにも、植松努さんがいう「思うは招く」が現れています。

https://www.youtube.com/watch?v=gBumdOWWMhY&t=20s

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・仕事の魅力は何ですか?
>映像(視覚)と音楽(聴覚)という、人間の五感の中で最も重要な感覚を掛け合わせることで、見る人の感情を大きく揺さぶる作品を作れるという醍醐味です。

・イメージはどんな風にでてくるのか?
>先入観を持たずに楽曲を聴いていると、メロディーから作者の感情が自然に伝わって来るものです。(ビジネスベースで作られた作品はそこが希薄)その後、歌詞の行間に秘められたメッセージを読み解きます。僕にとって音楽はテレパシーのような存在なので、楽曲に込められた作者の感情(喜び・哀しみ・悩み・怒り等々)を第三者に伝えるべく色々な方法論で考えます。歌詞を映像でなぞるだけなら単なるカラオケビデオになってしまいますが、良い意味で作者の期待を裏切ることが目標であり、苦しい楽しみでもあります。

・狂ってるのが好きなんですか?
>特に狂気が好きなのではないけれど(笑)理性を超えた深いところにある潜在意識というか、野性的な感情に興味があるのです。人間のそういう部分を解放するべく生まれたのがRockという音楽であり、その衝撃からこの世界に引き込まれた僕にとっては1番自然なことです。とは言え、人はノーマルの状態で作品を鑑賞するのですから、平常の感情を突き放すようなやり方は望んでいません。

・一番苦労したことはどんなことですか?(映像の撮り方とか、ほか)
>答えになっていないかもしれませんが、撮影というものは自分の意図したようにならないのが普通です。そんな時には撮っているというよりも撮らされている、作っているというよりも作らされていると考えるようにしています。その考え方は経験を重ねるうちに確信に変わっていきました。
すべての状況を受け入れそれをプラスに変える思考法こそが、作品にとって最も大切なことなのではないでしょうか。

・ラルクのライブはどんなコンセプトだったのか?
>視覚的トリップ体験という、今まで見たことのないぶっ飛んだライブビデオを目指しました。アイデアを考えるのはある意味簡単なことですが、それを形にしてくれたのは大勢のスタッフ達の力です。

・今後もずっと映像をとり続けますか?
>他に能がないダメ人間なので。

・映像の編集はどれくらいかかりますか?
>人それぞれですが、僕の場合は非常に時間がかかります。特にライブビデオ編集の場合はワンカット決定する度に曲頭から見直すような効率の悪さです。(ちなみに1本のライブビデオを作るには数百から数千のカットが必要になります。)
一見無駄な作業の様にも思えますが、編集を繰り返すほどに何度見ても飽きのこない作品になります。

・撮るのがイヤになる時はありますか?
>まだありません。

・ライブビデオ撮影でトラブルが起こったときの対処はどうしますか?
撮り直しなどしますか?
>ライブは基本的に一期一会、アクシデント自体もライブとして捉えるようにしています。その昔、アンコールの最中に中継車の電源が飛んだことがありました。当然収録は不可能になり、カメラマン達には撮影のふりをしてもらい、コンサートが終わると同時にプロデューサー共々メンバー楽屋に飛び込みました。ムッとしているアーティスト(無理もありません)にひたすら頭を下げてアンコールをやり直してもらった結果、より大盛り上がりの映像を残すことが出来ました。

・PVを作るのに、初心者にとってどんな編集ツールがいいですか?
私はsony vegasはできます。ほかのはありますか?
>僕は現在 Final Cut Pro X を使っていますが、周りでは Adobe Premier Pro の人が多いようです。最近は DaVinci Resolve(無料)にも興味を持っています。ただ編集ソフトで作品が変わることはないので、自分にとって使いやすいソフトなら大同小異だと思います。

・カメラマンとして、MVを作る時、どうやって映像と歌をあわせますか?
>ひとりの観客として楽曲を味わい、沸き起こる感情に従うようなカメラワークを心がけています。経験上、冷静に絵作りした時よりも力のある絵が撮れるような気がします。

・LiveとPVと、どちらが難しいですか?
>PVにはディレクターとしての主観(感性)が入るので、それがアーティストやファンを感動させられる世界なのかどうか、逆に彼らの想いを裏切らることはないのか、その重圧に耐えながらの試行錯誤の日々が続きます。Liveの場合は、会場で体験した観客にも新たな感動を呼び起こしてもらいたいと思って取り掛かるのですが、リアルなライブ体験は相当強烈なので、それを超えるのも大変な作業になります。

・MVの制作はチームでやる仕事ですか? それとも、単独ですか?
>予算の限られた仕事は単独でやるしかありませんが、ほとんどの場合はチームでやります。チームと一口に言っても2~3人の場合もあれば何十人のケースもあります。

・昔と今のMV制作の違うところは?
>デジタル時代になり劇的に映像製作の環境が変わり、以前なら実現困難なイメージも現在なら比較的容易に実現可能になりました。けれども、人間の感情にはアナログもデジタルもありません。そこにあるのはただ感動の有り無しだけです。

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参考資料映像

・渡辺美里「きみに会えて」

完成された映像でなく、途中で「泣く」ことで、
リップシンクもない状態の映像をあえて選んだ
ここにエンターテイメントとして、何を伝えたいのか?
という判断を感じられます。

翁長さんに見せてもらったものそのものは、ありませんが、
一部、このライブの中に映像がつかわれています。

UP-BEAT
こちらも、PVそのものはアップされていません。
翁長さんの映像が再編集されて、つかわれていますが、
色をかえてあったり、編集され流れがかわると、別のものになります。

沢田研二「SPLEEN ~六月の風にゆれて~」

これも逆回転でしたね。
45秒ほどで、モデルが登場しますが、これが撮影上ではエンディングシーン
ようするに、現実は後ろ向きに歩いているわけです。
そんなことを、細かく検証しながら見直してみてください。

Blankey Jet City

翁長さんが監督で、2013年に映画となりヒットしました。

・「夢の雫」歌:白井貴子

作詞:西嶋貴丸 作曲:塩入俊哉(ピアノの人)

ドキュメンタリーとしての扱いの中で、シンプルな例としてとりあげてもらっていました。ブランキーでの楽屋での撮影と同様に、私の妻の病室での撮影など、腹が決まっていないと、びびって撮影はできないでしょう。カメラマン、クリエーターとしての心構えが伺えます。

レコーディングの記録として映像を依頼しましたが、編集途中は見せてもらえず仕上がったらこうなっていました。映像当時、90%は他界すると医者から言われていた時期で、生前の記録として妻の姿をとってもらいました。現在は、目があいて、右目のまぶただけは、自力で瞬きができます。調子がいいときには、それで、Yes, Noの合図をしてくれるときがあります。

妻が倒れたことにより、障害にたいする社会の理解が、まだまだ、足りないと感じる経験ができました。さまざまな困難があることをしり、世の中に多く存在する、そのような障害をもっている方々とその家族へのメッセージとしてこのような形で発信されています。

私の妻は、このような形で教材になっていることはもちろん知りませんが、きっと少しでも役にたてたなら、喜んでくれると思います。