Welcome to the another world

7/30(日)マウントレーニア渋谷

からスタートするライブシリーズで、森川美穂は新曲を3曲歌います。

いずれも作詞:松井五郎さん、作曲:山川恵津子さん。
今回のライブでは、森川美穂の80年代〜90年代の歌と、そしてこれからの新しい歌の世界と、とてもおもしろい構成になっています。ぜひ、見に来てください!

そして、森川美穂の新しい歌の世界
松井五郎さんから、こんなコメントをいただきました。
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

-森川美穂は大嘘つきだ-

 自分の事を語ることは、それほど難しくはない。多少脚色があるとしても、経験したことだからだ。現実が賑やかであれば、それなりに作品も生まれる。ただ、同じストーリーを一度書いてしまうと、例えば、シンガーソングライターの場合、そこから先、スキルを試される。そうして淘汰されてしまうアーティストも少なくない。リアルとリアリティの境でアーティストたちは葛藤する。そして他者が書いてきたものを歌うとき、その差がよくわかる。

  「ビニールの傘」という新曲を聴いたとき思った。

  「森川美穂は大嘘つきだ・・」

 他者が書く歌詞である以上、共感はあるとしても、ストーリー自体はフィクションだ。それを恰も自分の事のように表現できるか。彼女は想像以上に「私」を感じさせてくれた。

 優れた役者や歌手は嘘つきだ。行ったこともない場所やしたこともない恋を、まるで経験のように思わせてくれる。ただ、ほんとうの事を知らない嘘つきとほんとうの事を知ってる嘘つきとでは、嘘の質が違う。森川美穂は後者だと思った。彼女のプライバシーはまったく知らないけれど、光も影も見たことがある気がした。つまりもほんとうの事を知った上で、僕の作った嘘をリアルに表現してみせてくれた。歌は聴くものだが、それだけではない。そこには景色も香りも体温もある。彼女の歌にはそれがあった。「ほんとう」を知った嘘だからだ。作詞家として、こんな醍醐味はない。

 もっと彼女の嘘につきあいたい。
 そう思った。

                     松井五郎
〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜

※この文章は、森川美穂メールマガジンにて配信した文章です。メルマガ登録はこちら

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です