190文字の愛情

森川さんのホームページでジミヘンの話をしたいわけではない。好きだけど場違いというものだ。そもそも、今回のニューアルバム「female」とジミヘンはどう考えても関連性がない。

まぁ、無理やり関連付けるとすると、1968年にリリースされた「エレクトリック・レディランド」から50年が経ち、記念盤がリリースされるのだが、オリジナル・アナログマスターテープを使って、そのリマスタリングをバーニー・グランドマンがやっているということだ。

バーニーグランドマンといえば、森川美穂の名盤「Ow-witch!」のマスタリングエンジニアである。繋がった。・・・しかし、かなり遠い。無理が感じられる。が、まだ続けよう。

バーニーのマスタリングルームには、ごろごろ大物のマスターテープがころがっていた。森川スタッフがこの「Ow-witch!」のマスタリングでバーニーのマスタリングルームにいったときは、David Lee Rothのソロアルバムのマスターがそこらへんにころがっていた。

アメリカのクリエイティブはマスタリングまでという考え方だったの対して、この頃の日本は、主に製品製造工程としてレベルを合わせる目的のためのマスタリングという感覚のほうが強かった。バーニーは、1度通して聴いて、気になった部分をアナログEQでグイグイ変化させていった。それも、ライブ感覚でリアルタイムでEQを手動でグリグリするのだ。びっくりしたなーもー。そのあとのレベル補正はやらないで、はい、終わり。ぼくの隣で、ミックスエンジニアが、小さくなって聴いていた。バーニーは、やぁ、いいミックスだったよ。・・・みたいなことを言っていた。エンジニアの名前忘れちゃったけど、彼は、ありがとうございます・・・と緊張した面持ちでバーニーの言葉に対応していた。

それにしても、これで終わり? あれれ? これじゃ、製品にならないよ。。。。と、それで帰国してから、コロンビアのマスタリングルームで、レベルあわせと、曲間を決めていたような気がする。ここにはぼくは立ちあっていない。

かなり遠い話で、どうも、なかなか「female」とは繋がらないが、、、、さて、そんなプレーヤー誌12月号の101ページの右上に、約190文字ほどの解説とともに、なんとCD「female」が紹介されていた。謎である。興味があるかたは、Player 12月号 101ページ右上の190文字の愛情も見ていただきたい。

ぼくは「female」は売るほど持っている。だからバーニーグランドマンがリマスタリングした「Electric Ladyland」を購入しよう。しかし、みなさんはぜひこちらから「female」をよろしくお願いします。

チサト・スミレの天神エンタメ 11月のテーマ曲

9月の台風直前の福岡ライブで、さまざまな方々にお世話になったことがきっかけとなり、なんと、コミュニティラジオ天神の、(金)19:00〜19:55「チサト・スミレの天神エンタメ」の11月のテーマ曲に、森川美穂のニューアルバム「female」から使っていただけることになりました!

さて、どの曲を使っていただけるのでしょう。チェックしてみてくださいね!
サイマルラジオ http://www.simulradio.info/#kyusyu

CD特典ポストカード、ご好評につき期間延長!

こちらホームページのCDサイトから 「female」 をご購入いただいた方にポストカード特典を付けさせていただいております。当初、10月末までの特典となっておりましたが、ご好評につき延長することになりました!

そもそも、この購入サイトは、送料無料とがんばってはいるものの、支払いは銀行振込オンリー、支払い手数料はお客様負担、試聴システムもありゃしない・・・・、ほかの販売サイトからくらべると、、、、。。。。

そんなわけで、ポストカードもなくなったら、いったいなぜこのサイトから購入するメリットがあるのか? と、思われてしまうかもしれない、、、、ある内部情報筋によると、心配性の運営スタッフが心細くなり、ポストカード特典は延長された模様です。

とはいえ、なかなかがんばっている側面もあります。試聴サービスはございませんが 「female」XFD で全曲試聴ができ、さらにここでは特典ポストカードと楽曲の対応もわかるというように、アイデアもしっかりしています。そう言った意味で、かなりがんばっているな、努力もしているな、と評価することも出来ます。

森川美穂 New Album 「female」 購入サイトをご両親、ご兄弟、親戚、お友達に、ぜひ、広めていただければ幸いです。よろしくお願いいたします。 ⇨ https://morikawamiho.com/female/

「気持ち」

左から:増井孝子さん、森川、ばんばひろふみさん、露の吉次さん

昨日はCRの「ばんばひろふみ!ラジオDEしょー!」にゲスト出演させていただきました。この番組は、いくつか放送枠を変えながら、23年続いている番組です。1995年、阪神淡路大震災の年の4月から放送がはじまりました。多くの方々が被災され、ラジオ、テレビ、イベントなど、日本全体が自粛ムードの中、ぼくらにできることは何か?という「気持ち」が集まり、生まれた番組でした。

ばんばさんのトークは軽快で、とても楽しい。沈んでいる気持ちと寄り添うことも大切だけど、笑顔、笑い、元気を伝えていくのもアーティスト、タレント、たちの役目ではないか?という思いで、当時のラジオ 関西の制作スタッフ、そして出演者と「気持ち」を合わせてスタートした生放送でした。

当時は、朝7時にラジオ局入りし、放送開始が8時からで、お昼までの4時間をハイテンションで駆け抜けるという番組でした。ぼくはある時期、ばんばさんのスタッフもしていましたが、朝7時に局にいっしょにはいると、ラジオ制作スタッフはもちろん、他の出演者も勢揃いしていて、全員が顔をあわせるなり大きな声で「おはよーございますっ!!」と声を掛け合っていました。

放送のはじまる1時間前、局にはいった瞬間から、全員でこの元気を神戸のみんなに伝えて行こう!という心意気が作り上げるのがこの番組なのだと教えてもらいました。

寝ぼけて、ぼーっとしていては、番組の一員としては失格なのです。ばんばさんは、放送の中でも、朝の深夜放送といいながら、笑いがあって、たまにちょっとエッチなネタもまぜながら、ついリスナーが笑ってしまうような話と、心温まる話、そして応援する気持ち、とさまざまなエッセンスをバランスをとりながら交えて、4時間の生放送をあっというまと感じるほどのテンションで駆け抜けていきました。

その後、制作スタッフのうち2名は局長になり、その遺伝子を受け継いだスタッフがしっかりと番組を固めていて、ひさしぶりに同じスタジオに森川さんと伺ったときには、スタッフから元気のいい挨拶の声をかけていただきました。

スタジオ前で、お弁当をいただきながら、ばんばさんが「ここであまり話してもなんやけど、ええアルバムやな。森川、また一皮むけて新しいステージにたったんやないか。この作品は、歌うのむずかしかったやろ。11編の女性の物語、短編映画を見ているように作られていて、聴き応えがあったよ。」と、森川さんへ話をしていました。

事前にしっかりと聴き込んでもらっていること。これこそが、アーティストにとって、一番のおもてなしです。「female」の作品にたいして、歌はもちろん、サウンド、歌詞とさまざまな角度からゆっくり聴き込んでくれたと感じるお話をしていただきました。

ばんばさんは、フォーク、ロック、と幅広く音楽をずっと聴き続けてきています。知識はもちろんですが、音楽を自分の中に消化させて、自身の音楽に反映しながら、ライブ、音楽制作に取り組みつづけている方だからこそ、話すポイントは見事で、森川さんもとても嬉しくゲストコーナーに出演させていただきました。

ラジオを聞いてくださった方は、きっと森川美穂を知らない方でも、このCDは聴いてみたいなとおもっていただけたのではないでしょうか。

こうやってゲストコーナーひとつでも「気持ち」があってこの15分が充実した放送になります。CD全体をプロデュースする「気持ち」が松井五郎さんにあり、それを受けて歌い切る「気持ち」が森川美穂にあり、それをいい形でつたえようという「気持ち」がばんばさんから感じられ、これらの「気持ち」は、ひとつに繋がっているものかもしれないなと思った、そんな15分のゲストコーナーでした。ありがとうございました。

ラジコのタイムフリーで1週間聴けます。ぜひチェックしてみてください。
http://radiko.jp/#!/ts/CRK/20181031123500

このCD「female」多くの方々へ伝えたい。聴いていただき、いいって思ったら、その「気持ち」をぜひ、身近な誰かに伝えてください。ゆっくり、じっくり、広げていきたいと思っています。よろしくお願いいたします。

「歌が生みだす景色」〜10・28 都雅都雅 Report〜

客席にBGMが流れている中、森川ひとりがステージにあらわれた。深く一礼したときに流れ始めたのは、New Album「female」の最初の物語「それぞれ」のカラオケ音源だった。ゆるやかに水が流れるように、時が流れていく、そんな感覚を受ける音源の中を、カランコロンと空中を漂うようにベルがなる。どこにリズムがあるのか聴き手には見えないのだが、森川の歌声は確実に、時間の流れをうけとめて囁くように歌う。

「言葉」「音楽」「演奏」とが一帯になり「歌」になる。それは歌っている森川美穂本人の内面に変化をあたえて、それが歌うときの表情となってゆく。今回のNew Album「female」は、大きく森川美穂を変化させたようだ。

1曲目をカラオケで歌い終えた瞬間に、いつもの森川にもどり、ピアニスト塩入俊哉さんを迎え入れた。MCでの森川は、ぶっちゃけねーさんで、あの歌の世界観や、歌っているときの色気はあっというまにいなくなる。どうも、歌とは憑依するものらしい。しかし、その制限時間は、歌の4分間と決まっている。

この、きっぱり、正直、ぶっちゃけねーさんと、歌の中にいる女性たち、、、淋しさや、苦しみや、矛盾をかかえた女性たち、、これが、森川の身体の中を入れ替わりながらステージは進んでゆく。これが森川美穂の独特なステージなのだろう。

この日のカヴァー選曲は、森川美穂の年齢とともに、当時の思いとその時代背景でのヒット曲、そして、森川美穂が今回「female」へと進んできた道を歌を通して、その必然性を感じられるようなカヴァーライブ〜オリジナルソングとなった。

M-01 それぞれ(female)

M-02 時の過ぎゆくままに(沢田研二)
1975.08 / 森川美穂 7才
 
M-03 たそがれマイ・ラブ(大橋純子)
1978.08/ 10才

M-04 Too far away(水越恵子)
1979.12 /11才

M-05 私はピアノ(高田みずえ)
1980.07 /12才

M-06 サンセット・メモリー(杉村尚美)
1981.01/ 12才

M-07 ドラマティック・レイン(稲垣潤一)
1982.10 /14才

M-08 家路(岩崎宏美)
1983.08 /15才

M-09 赤い涙 
1986.03/ 17才 森川美穂 3rd Single
    
M-10 黄昏のLove Letter
1985.10/ 17才 森川美穂 2nd Single c/w

M-11 ビニールの傘(female)

M-12 漂流夜行(female)

M-13 Life is Beautiful
2016.11(Life is Beautiful)

M-14 足跡(female)

M-15 難破船(中森明菜)
1987.9/19才

M-16 ユメサライ(female)

塩入さんの情熱的なピアノで歌い上げた16曲、演奏家と歌手というのは、足し算でなく、掛け算で表現が広がると感じた2時間でした。そして、森川美穂の歌の歴史とともに今回の「female」にたどり着き、ここに森川美穂流の歌謡曲が出来上がったと感じられるライブになりました。

明日はいよいよアルバム「female」の発売日です!
明日 13時〜からは、ラジオ関西、ばんばひろふみさんの番組「ラジオDEしょー!」にゲスト出演させていただきます。ぜひチェックしてください。

そして、18:30〜 ミント神戸2Fデッキにて、発売記念イベント行いますので、近郊の方、ぜひいらしてください。
詳しくはこちら

「Life is beautiful」 そして 「足跡」

僕(スタッフ西嶋)が、森川さんのレコーディングを担当したのは、2枚目シングル「ブルーな嵐」から1989年にリリースされた「チャンス」まで。そして、再会してレコーディングしたのが「Life is beautiful」・・・実に29年ぶりのレコーディングでした。

この作品は、森川さんが30周年のときに、ライブで発表した作品で、すでに作品があったので、僕はレコーディングで塩入さんにピアノをお願いしただけでした。何をしたかったかと言うと、一発録音をしたかった。この曲はそのまま「裸の森川美穂」を録音すればいいだけでした。そのためには歌い直すことのない、一筆書きのような歌を録音したかった。それだけでした。

いい歌だな、いい曲だなって思った。そこにはやはりストーリーがあった。森川は自分が歌いたい気持ちを、手紙という形で佐藤純子さんへ伝えていた。その気持ちは純子さんの心の底に届いて、そこからこの歌は生まれた。

去年の夏、作家対談というのをやった。佐藤純子さん、羽場仁志さん、そして松井五郎さんの3名で、昨年リリースしたベストアルバム「Be Free」について語ってもらった。このアルバムに収録されていない「Life is beautiful」を松井五郎さんは語った。

おもしろい。今回のアルバム「female」に収録されている「足跡」という楽曲は、デビュー30周年の記念曲「Life is beautiful」にたいして、今年50才になった森川美穂への松井五郎さんからのプレゼントだったのだろうと思う。ドキュメント「female」03 を読んでいればご存知だろうと思うが、松井五郎さんいとって「Life is beautiful」という壁があったのは確かだっただろう。それでも、プレゼントしたかった1曲が「足跡」だったのではないか。

この2曲はおもしろい。
「Life is beautiful」は生まれてから今までという時間軸になっている。振り返っているのだけど「視点」は生まれた時のこと「誕生=0」からスタートして、現在までを歌うという時間経過の歌になっている。

そして「足跡」の「視点」はその逆だ。50才になった森川美穂「今=0」として、過去を想い、心の中の旅をしてゆく。

こんな記念作品をつくってもらえること自体、とても幸せだと思う。心に沁みる名曲だ。この2曲は、僕にとっては、気がつけばそこにあった、、、という作品です。森川さんと作家との「人と人」の繋がりの中で、自然に生まれた作品です。特別飾ることのない、普通の言葉の中に、愛があり、物語がある。それが心に沁みる。

こんな2曲を森川は京都で歌いたいと言い始めた。バラード2曲、それも、ある意味では同じタイプの曲。セットリストを考えると、普通この手の歌を2曲はやらない。もちろん、書いたように時間軸の捉え方、作品意図は違うものであるのだが、普通、続けて歌う曲ではない。

面白い。歌手として、この2曲をどうアプローチするのだろう。でも、アプローチなんて関係ないのかもしれない。演出などいらない。森川が感じているまま、素朴に歌えれば、作品そのものが浮かび上がるではないか。さてさて、どうなるのだろう。

レコーディングは、歌手を進化させていく。そしてライブでさらに磨かれる10/28 京都・都雅都雅、とても楽しみなライブになりそうです。

秋の京都に沁みいるような森川の歌声、聴きにきてください。

10/28日(日)京都 SPECIAL LIVE

【会場】 都雅都雅
【時間】開場 16:00 開演 17:00
【出演】森川美穂(Vo) 塩入俊哉(Pf)
【料金】 前売6,000円 当日500円UP(別途2オーダー)
【チケット発売中】 都雅都雅ローソンチケットイープラス

10/31(水)ラジオ関西 ゲスト情報

森川美穂新譜「female」発売日の10/31に、ラジオ関西の番組「ばんばひろふみ!ラジオDEしょうー!」にゲスト出演させていただきます。

先日、ばんばさんにCD「female」を送らせてもらいました。ばんばさんの音楽的なコメントはいつも的を射ており、どんな感想をいただけるか、緊張します。ばんばさんと森川さん、かなり面白い話になりそうな予感がします。

ゲスト出演は、13時〜を予定しております。ぜひ、チェックしてください!!

 

10/31「female」発売日、神戸タワーレコードイベント決定!

森川美穂 New Album「female」リリース記念いたしまして、タワーレコード神戸店さんと下記でイベントを組むことになりました!

2018年10月31日(水)
場所:MINT神戸 2Fデッキ
時間:18:30〜 ライブ観覧フリー

◉サイン会、握手会の参加方法
当日イベント会場にて、森川美穂 New Album「female」購入者対象
(10月31日発売:CVOV-10050/¥3,000+税)

イベント会場にてCD購入時に、特典ポストカードをお渡しします。
当日イベントでの特典ポストカードがサイン会参加券となります。
CDジャケット、もしくは、ポストカードどちらか1点にサインをいたします。

■本イベントは、屋外での開催となります。
イベント開始前の早々の場所取りはご遠慮願いますようご協力をお願いいたします。

■会場は屋根のないオープンスペースです。当日雨天の場合、傘をさして観覧して頂くことが出来ませんので、雨具等を御用意ください。

■イベント当日の天候及び気候状況により屋外での実施が不可能と判断した場合は、イベント実施場所がタワーレコード神戸店店内に変更となる場合がございます。

■サイン会は列が途切れ次第終了いたします。

■写真撮影はご遠慮ください。

■アーティストの都合により、内容等の変更・イベント中止となる場合がございますので予めご了承ください。

10月に入ってから、私の朝の日課はプチプチカットからはじまります。そして、タックシールの印刷、チラシを折ってポストカードをセットして、プチプチでCDを保護してスマートレターの封筒へ封入します。おかげさまで、たくさんのご予約者への発送もひと段落し、毎朝の大量のプチプチカットも今日で終了です。これからは、毎日数枚づつの発送になると思いますので、これだけカットしておけば、1週間ほどはもつでしょう。

とはいえ、気を抜いてはいけません。ポストカードは、11種類ございます。この11種類は「female」に収録されている、11編の女性の物語に対応しております。それぞれの楽曲イメージと関連づけられた松井五郎さんの「言葉」1フレーズと森川画像イメージとのコラボ作品ポストカードとなっています。

福岡ライブ会場で予約された方は「それぞれ」、広島ライブ会場では「涙よ涙」、10/1〜14までにこのホームページから予約いただいた方は「漂流夜行」、そして現在予約していて10/31までにご注文の方は「ユメサライ」のイメージポストカードとなっています。

もちろん今週末10/28の京都、都雅都雅でもまた別のポストカードが特典となります。そして、この神戸タワーレコードとのイベントでも、また新たなポストカードをご用意し、お待ちしております。

神戸近郊のお知り合いに、ぜひ声をかけてください。よろしくお願いいたします!

鞄と時計

この年齢になったから響く言葉がある。若い頃には、なんでもなかった言葉が、人生という歴史を経験することで、響くフレーズがある。

「鞄と時計」・・・この歌は、そんな作品だ。

ストーリーがわかるわけではない。フレーズ、フレーズから生まれてくるストーリーは、すべて、それぞれ聴き手に任されている。だから、聴くぼくらが経験をつんでいなければ、響かない。そこを狙ってくる松井五郎さんってすごい。

このすごさを、理論でなく、匂いで嗅ぎつけているのが森川美穂だ。歌ってみると、感覚でわかる。そこに何かがあると嗅ぎつけるのだ。面白い。これは、松井さんが仕掛けた罠なのか?あるいは、どこまで来れるのか?試されているのかもしれない。Chageさんというキャスティングも、きっと用意周到に考えらえたプロディースだ。森川にとってはありがたすぎる冒険。

作家とはなんだろう? 歌手を作品でプロデュースする。そう言い切っていい。この空白の多い歌詞・・・それは、聴き手のぼくらに委ねられている。そして、Chageさんのメロディーがまたすごすぎる。

作家は、歌手とよりそう。しかし、あえて、注文をださず、Chageさんの世界を森川に与えた。これが松井五郎プロデュースだ。森川はなやんだ。そして感じたままに歌った。一つ、新しい世界を経験できた。50にして、殻をやぶることができた。森川美穂という歌手のすごいところだ。

ぼくは傍観者だけど、35年レコーディングディレクターをやっていて、こんなすばらしいレコーディングを見たことがない。みんなが、森川美穂をすばらしい歌手へと導いてくれた。松井五郎、山川恵津子、都志見隆、Chage、野上朝生、・・森川美穂は幸せものだ。

歌は変化する。表現は果てしなく成長してゆく。歌が変わるって、どんな心境だったのだろう?
森川さんの歌の幅がズドンと広がった。それが 「female」 というアルバムになった。

10/28の京都ライブ、新境地の森川にぜひ会いにきてください。リリースライブより一足早く、塩入さんのピアノで、今、この瞬間の森川美穂の「裸の歌」を浴びてほしい。

10/28京都:都雅都雅

GORO MATSUI SONGBOOKS 10

10月12日(金)にこのコンサートは開催されました。当初このライブに森川美穂の名前はありませんでした。

チケットは発売わずか5分で完売したそうです。松井五郎さんの作詞作品だけを歌うシリーズとして、はじまったこのライブは、今回で10回目の開催となりました。記念すべき10回目の出演は、メインとしてChageさん、そして根本要さん(Stardust Revue)でした。松井五郎、チャゲ&飛鳥、根本要、この3組は、それぞれのバンドでヤマハのポプコンに出場していた同年代であります。

ドキュメント「female」のChapter 01のタイトルは「なぜ、森川美穂だったのか?」となっていましたが、この流れが、森川美穂をこのステージに導いてくれました。

松井五郎さんが作詞、そしてChageさんが作曲という作品は、1981年からスタートしている。そしてChageさん作曲の1981年の作品が、松井五郎さんの作詞家のスタートでした。二人で作った曲は、これまでに43曲もあります。そして、43曲目の最新作品が森川美穂の最新アルバム「female」に収められている「鞄と時計」ということになります。

レコーディングを終えて、このライブのチケットも発売され、5分でチケットはなくなり、「すごいですねー、なぜ、JZ でやるんですか?もっと広い会場でやればいいのに」・・・そんな話を松井さんとしているときに「この日、美穂ちゃんスケジュールどうなってます?」となりました。

そんな、流れで、松井五郎作詞、Chage作曲の「鞄と時計」を1曲だけ歌わせていただくことになりました。そして、ライブ1週間前に「ふたりの愛ランド」も歌って・・・となって、2曲参加させていただくことになりました。

松井五郎さん、Chageさん、根本要さん、はかつて全員がポプコンのステージにたっていた。Chageさんも、根本要さんもポプコンからここまでのステージ数はかなり多い。歌い続け、走り続けているアーティストたちを見ながら、松井五郎さんのステージは、作詞をすることだった。

Chageさん、Stardust Revueのステージ数は、どれほどなのだろう? 仮に40年、年間75公演を続ければ3,000ステージになる。松井五郎さんは3,000ステージを超えた。続けることの凄さ、強さ、情熱を感じる。

歌い続けることのすばらしさ、作品を生みつづけることのすばらしさに触れ、森川美穂もまた、歌い続けるという決意を新たにした、そんな夜でした。

「鞄と時計」 収録アルバム「female」 予約サイト