『I・N・G』コラム11~0時の鐘が鳴るだろう~

11:0時の鐘が鳴るだろう
作詞:松井五郎 作曲:井上ヨシマサ 編曲:河野充生

井上ヨシマサさんが、今の森川美穂に、
歌わせたいメロディーがこの作品です。

デモテープが届いた瞬間に感じたことは、
「ブルーウォーター」の、
あのスパーンと青空へぬけるメロディーから
31年の時を経て、心の内側へ響くメロディーを
歌ってほしいと、森川へ提供してくれたのだろうと感じました。

森川さんは、本当に、すばらしい作品を歌い続けてきた。
これは、とても幸せなことでしょう。

誰が歌うかで、その作品の運命が
決まるといっても過言ではありません。

もちろん、作品は独立していて、誰でも歌うことはできますが、
オリジナルとして、最初に歌うということは特別なことです。

メロディーに込められた情熱を受け、
その温度を松井五郎さんが受け取り
今度は、言葉という血液を流し込みます。

私は「ING」の森川美穂だからこそ、
今、歌うべき人生の応援歌を歌ってほしいと思いました。
若き日に「ブルーウォーター」のように、
手を振り上げて歌ってきた
森川美穂が、「今」歌う応援歌を聴いてみたい。
しかし、むやみに拳を突き上げることはもうしない。

どんな歌が生まれるのか、楽しみだった。

ぼくらにとって、0時の鐘は、何を意味するのだろう?
じっと止まっていても、時は流れていく、
むやみにあせって走っても、眠っていても、0時の鐘は鳴る。

気がつかないといけないこと。
それは、INGだ。

森川美穂は、いつも
「いまなら、ここはまだ道の途中」と全力で生きる。
ようするに、誰だって、いつだって常にINGだ。

喜びも、後悔も、経験したことは全部すでに過去のことだ。
0時の鐘を、毎日、今のスタートにするのか?
終了のゴングに使うのか?
それは、いつだってあなた次第というわけか。

いいじゃないか。
泥臭く生きて、人生を歌っていこう。
森川美穂の歌声は、
それぞれの心へどんな風に響くのだろう。