客席にBGMが流れている中、森川ひとりがステージにあらわれた。深く一礼したときに流れ始めたのは、New Album「female」の最初の物語「それぞれ」のカラオケ音源だった。ゆるやかに水が流れるように、時が流れていく、そんな感覚を受ける音源の中を、カランコロンと空中を漂うようにベルがなる。どこにリズムがあるのか聴き手には見えないのだが、森川の歌声は確実に、時間の流れをうけとめて囁くように歌う。
「言葉」「音楽」「演奏」とが一帯になり「歌」になる。それは歌っている森川美穂本人の内面に変化をあたえて、それが歌うときの表情となってゆく。今回のNew Album「female」は、大きく森川美穂を変化させたようだ。
1曲目をカラオケで歌い終えた瞬間に、いつもの森川にもどり、ピアニスト塩入俊哉さんを迎え入れた。MCでの森川は、ぶっちゃけねーさんで、あの歌の世界観や、歌っているときの色気はあっというまにいなくなる。どうも、歌とは憑依するものらしい。しかし、その制限時間は、歌の4分間と決まっている。
この、きっぱり、正直、ぶっちゃけねーさんと、歌の中にいる女性たち、、、淋しさや、苦しみや、矛盾をかかえた女性たち、、これが、森川の身体の中を入れ替わりながらステージは進んでゆく。これが森川美穂の独特なステージなのだろう。
この日のカヴァー選曲は、森川美穂の年齢とともに、当時の思いとその時代背景でのヒット曲、そして、森川美穂が今回「female」へと進んできた道を歌を通して、その必然性を感じられるようなカヴァーライブ〜オリジナルソングとなった。
M-01 それぞれ(female)
M-02 時の過ぎゆくままに(沢田研二)
1975.08 / 森川美穂 7才
M-03 たそがれマイ・ラブ(大橋純子)
1978.08/ 10才
M-04 Too far away(水越恵子)
1979.12 /11才
M-05 私はピアノ(高田みずえ)
1980.07 /12才
M-06 サンセット・メモリー(杉村尚美)
1981.01/ 12才
M-07 ドラマティック・レイン(稲垣潤一)
1982.10 /14才
M-08 家路(岩崎宏美)
1983.08 /15才
M-09 赤い涙
1986.03/ 17才 森川美穂 3rd Single
M-10 黄昏のLove Letter
1985.10/ 17才 森川美穂 2nd Single c/w
M-11 ビニールの傘(female)
M-12 漂流夜行(female)
M-13 Life is Beautiful
2016.11(Life is Beautiful)
M-14 足跡(female)
M-15 難破船(中森明菜)
1987.9/19才
M-16 ユメサライ(female)
塩入さんの情熱的なピアノで歌い上げた16曲、演奏家と歌手というのは、足し算でなく、掛け算で表現が広がると感じた2時間でした。そして、森川美穂の歌の歴史とともに今回の「female」にたどり着き、ここに森川美穂流の歌謡曲が出来上がったと感じられるライブになりました。
明日はいよいよアルバム「female」の発売日です!
明日 13時〜からは、ラジオ関西、ばんばひろふみさんの番組「ラジオDEしょー!」にゲスト出演させていただきます。ぜひチェックしてください。
そして、18:30〜 ミント神戸2Fデッキにて、発売記念イベント行いますので、近郊の方、ぜひいらしてください。
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